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海物語

釣り。魚釣り。筆者は、わりと幼少期の記憶が残っている。

当時はプロレスごっこか、幼稚園を休んで親父と行く釣りが一番好きだった。


葉山の山田屋という貸しボート兼釣具店に行くとそこのおじちゃんとおばちゃんが

いつもお菓子と濡れた新聞に包まれた釣り餌を一緒に手渡してくれた。

そして、気持ちよく沖へ送り出してくれた。


砂浜からボートに乗り移るそのスリリングな瞬間や、徐々に海底が見えなくなり水の色が変わる瞬間、

みるみる、浜辺の人や物が小さくなっていく感じがたまらなく好きだった。


そして、親父が漕ぐのをやめ、さっびさびイカリを投げ入れるのが釣り開始の合図。

親父は、幼稚園児の俺に「糸を常に張っとけ。糸がピーンとしていないとひいているか分からないだろ」と口うるさくいつも言っていた。

俺は、親父の言っているその意味が分からなかったけど「糸をピーンとしていないと親父に怒られる」ってのは、理解していたので、

そっちの理由で糸をいつもピーンと張っていた。


昭和の魚は、アホで幼稚園児がたらした釣り竿にもまぁまぁ掛かった。

魚が餌を食って、竿から伝わるいわゆる「ひいている」感覚がたまらなく好きだった。

そして、リールを巻き、魚影が見え始める時の興奮と感動は、釣りでしか味わえないものだ。



そんなこんなで、早朝から昼過ぎまで過ごす。

小さな揺れる船上でかまさざるを得ないウ●コとオ●ッコが俺のバランス感覚の根底を築き上げた。

って、そんな昔話はど~でもいい。


要は、俺の知っている釣りから、40年弱経っている。

その間、全く釣りをやっていなかったわけではないが、海に出かける理由は海面より海面下にあった。


この40年間の時の流れはおそらく進化、特にテクノロジーの進化は、

めまぐるしいものであったと感じています。

この間の企業努力たるや、どの業界もすさまじく熾烈を極めたであろうことは想像にかたくありません。


以下の同種事案は、その激動の流れの真只中である、約25年前に経験しました。

当時は、「まさか」でしたが同時に「安かろう悪かろうを勉強出来た体験」でもありました。


釣り経験者であれば一度は、必ず経験するであろう「リールのアフロ状態」です。

伝わるかな??なんて、表現すればいいか…とにかく釣り糸を巻くリールという機械があるんだけど、

その「リールに巻き付けられた釣り糸がビヨ~ンと出てしまって、直そうとすればするほどビヨ~ン、ビヨヨ~んって、しまいには、アフロヘアーみたくなって、またたく間に釣りどころではなくなる例のヤツ」としか言えないんだけど…

まさか、25年経ってもこの「例のヤツ」の存在が許されているとは、思わなんだ。


先日の出来事です。2022年の出来事です。俺、怒ってます。

釣具メーカーさんには失望しました。残念です。

このご時世3,500円出せば色々出来ます。

そりゃね、「竿、リール、仕掛けのオールインワンタイプ」を選んだ俺は、

御社の尺度からすると確かにセコかったかもしれません。

た~だ、釣具メーカーの皆さん!!聞いて下さい!!

このオールインワンタイプを買う人間は、「安いから」ではなく

「詳しいことはよく分からないけど、とにかくまずは、釣りってものを楽しみたいから」なんです!!

裏を返すと「このワンチャンを台無しにされちゃ困る」層なんです!!

もしかしたら、コレを機に「釣りを生涯の友とする可能性を秘めている」層なんです!!

それをなんですか!!あなた方は!!!いきなりビヨヨヨ~ンって!!

失礼にも程があるでしょうが!!


昔と違い、この仕組が良いか悪いかはさておき、その価格にかかわらず駄目なもの、

駄目なサービスは、消えていく仕組みになりました。

また、その業界ならではの価格設定があるものの、日本経済は成長を続けています。

記憶が曖昧ですが、このオールインワンタイプの当時の価格帯は980円~1980円でした。


私は、こう考えました。

まず、アフロ現象そのものは、2022年には、既に存在していないだろう。

少なくとも25年前から明らかに問題には、なっていただろうし、さすがに時代がその存在を許さないはずだ。

シングルCD(確か8cm)で聞いていた俺もサブスクのストリーミングであるのだから。


価格が倍程になっている。流石に我が国日本といえどその物価は、倍にはなってない。100円のジュースが130円程度だ。

つまり、1.3倍程度。故に、倍程の価格になっているからには、当然品質改良費があり、その予算がやっぱり相当かかったんだな。

あのアフロは、俺が考えるより複雑な問題なんだな。整数しかやってない俺には、よく分からない小数点の問題があったんだな。

お疲れ様と。その労に少しでも消費者として報いるべく、購入させていただいた。


4歳児と7歳児と44歳児の3人につき、当然購入した。3本。

釣り素人感漂うこの親子の購入を店員さんが、止めない時点で俺は、確信した。

アフロ問題は、過去の悪しき習慣であり、2022年現在では、いらぬ心配であることを。


親父の威厳。ジェンダー問題が騒がれておりますが、少なくとも我が家庭では、継承していきたい。

親父の威厳。


勿論ベタに出掛け際に「今日はタイのお刺身だ」「上等な本わさびを用意しておけ」と。


一本目(長女)の一投目。   ビヨヨ~ん。

二本目(長男)の一投目。   ビヨヨ~ん。


ここからラッパーである筆者が学ぶべきポイントはなんでしょうか??

更に、3本目の竿に対して、「3度目の正直」を採用するか、「2度あることは~」を採用するか…

経験が後者を選択させたが、同時に全身の血が沸騰するのを感じ、血液に沸点が存在することを知りました。


でも、でも、それでも、筆者は、ラッパーです。

怒ることや、悩むことでは何も解決しないことを、知っています。

色々考えました。まずは、蒸発が始まってしまっている血液を冷やす必要があると。

そして、敵はこの場には決して居ないこと。むしろ敵は我なりの第三の証言状態にあること。

同時に、父親として、この海にタイがいないことを冷静に伝える必要があること。


釣具オールインワンセット関係者各位は大いに反省していただきたい。

嘘をつくことが出来ないからラッパーになったのに、

嘘をつくことでしか解決し得ない問題を生み出したというこの現実を。

しかも、親を疑うことをしらない子供に。くっそ~。


しょうがねーから、ザリガリ釣りみたいに、竹竿よろしく先端に糸結んでやったっつ~の!!

もちろん、魚は釣れねっつ~の。

小せーカニが釣れて意外と盛り上がったから良しとしてやるっつ~の!!


子ガニ11万円。我が子のシャウト…プライスレス。 


古っ。



んじゃ、ピースでな。いい夢見ろよ。


by icebahn | 2022-10-04 06:01 | 玉露